フランス、英国、スペイン三カ国で、ヒロシマの体験を伝え、テロと報復戦争という「暴力の連鎖」を断ち切る方策を探ってきた広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第三陣メンバー四人と同行の中国新聞記者、カメラマンの計七人が二十九日、二十六日間の旅を終えて帰国した。
JR広島駅に到着した被爆者の細川浩史さん(76)=広島市中区=らは、就職試験受験のため一足先に帰国していた社会福祉士の山田裕基さん(27)=廿日市市=や家族らの出迎えを受けた。
一行は、フランスでは核抑止論を唱える研究者らと議論。英国では、平和活動で世界をリードする非政府組織(NGO)と、核兵器廃絶に向けての協力の道を探った。
スペインでは、今年三月、マドリードで起きた列車爆破テロ被害者らと面会するなどし、テロ後の選挙でイラクからの軍隊撤退を選んだ市民が「テロの脅威」をどうとらえたかを学んだ。
胎内被爆者で子どもたちへの体験継承活動を続ける主婦の石原智子さん(58)=安佐南区=は「三カ国で学んだ知識や体験を、被爆地での今後の活動を通じて広めていきたい」と話していた。
【写真説明】JR広島駅に到着し、家族らの出迎えを受ける第三陣メンバー
   
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