【リーズ16日森田裕美】英国を訪れている広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第三陣五人は十六日、リーズ市にあるリーズメトロポリタン大で、学生や教職員ら八人とイラク戦争をめぐって討議した。
内戦に見舞われたアンゴラやスリランカからの留学生が「武力は何も解決しない」と切り出した。メンバーの筑波大一年花房加奈さん(18)=広島市中区出身=は自衛隊のイラク派遣に触れ、「政府と多くの国民の考えは一致していない。米国追随の姿勢に怒りを覚える」と話した。パキスタン出身の教員からは「日本は第二次大戦後、戦争はしないと誓ったはずなのに」と日本の外交姿勢を危ぶむ意見も出た。
社会福祉士の山田裕基さん(27)=廿日市市=は「英国の市民は核軍縮や平和運動に努めているのに、なぜ政策は変わらないのか」と質問。これに対し、職員のニッキー・ジョンソンさん(31)は「英国は選挙の投票率が30%と低く、民意が必ずしも政治に反映されていない」と、市民の意思を投票に反映させる啓発活動の重要性を強調した。
【写真説明】リーズメトロポリタン大の学生らと、イラク戦争について意見を交わす山田さん(左手前)ら平和ミッション第三陣(撮影・田中慎二)
   
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