【パリ8日森田裕美】フランスを訪れている広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第三陣メンバー五人は八日、パリ政治学研究所で、広島市が国内外の大学に提唱している「広島・長崎講座」の開設準備にあたる同研究所のバートランド・バディ教授(54)と懇談し、講座の来春開始を伝えられた。
バディ教授は、多くの政治家を送り出している研究所の実績を踏まえ、「原爆投下がいかに暴力的、非人道的だったかを知ることは、冷戦後も続くフランスの核抑止論を見直す重要な機会になる」と、講座開設の意義を強調。「政治や軍事面からではなく、社会学として被爆の実情に迫る場にしたい」と語った。
それに対し、筑波大一年の花房加奈さん(18)=広島市中区出身=は「欧州の未来も担う若い世代にしっかり学んでほしい」と期待を寄せ、メンバーらは「広島での実地研修をぜひ加えてほしい」と要望した。
同研究所の「広島・長崎講座」は、今春の開設予定が遅れていた。十の講義からなる選択制とし、履修期間は三週間。具体的な講義内容は今後、広島市と詰める。
【写真説明】バディ教授(右端)から「広島・長崎講座」の開設について聞く第三陣メンバー(撮影・田中慎二)
   
|